チンコの皮を剥くことと快感の関係

ノーベル賞作家、大江健三郎の「セブンティーン」には、下のような記載がある。

「おれは大人の性器の、包皮が剥けて丸裸になった赤黒いやつが嫌いだ。そして、子供の性器の青くさい植物みたいなやつも嫌いだ。剥けば剥くことができる包皮が、勃起すれば薔薇色の亀頭をゆるやかなセーターのようにくるんでいて、それをつかって、熱にとけた恥垢を潤滑油にして自涜できるような状態の性器がおれの好きな性器で、おれ自身の性器だ。」

仮性包茎から完全に剥ける状態にいたる年齢については、正確なデータがないようだが、たしかに自分の場合も、セブンティーン前後に仮性包茎から皮が剥けた状態になった。露出したばかりの亀頭は下着に擦れるだけで激痛で、歩いていても、座って姿勢を治すだけでも、亀頭のことばかりが気になった。集中したいときは皮をかぶせて、余裕がある時に剥いた状態にもどす。ようやく剥けた状態になれたのは、半年ほど続けてからだろうか。

ペニスがもともと皮を被っているということを知らない女性も多い。男の子をもった母親は、自分の息子のペニスの形が、夫の形と異なることに違和感を覚えるそう。そもそも皮がかぶっているという概念がないため、皮を剥いて洗うことをせずに亀頭包皮炎になり、息子のオチンチンが腫れている、とびっくりして病院に駆け込むことになったりするお母さんも結構いるらしい。

米国では、割礼を施された男性の割合は5割を超えるという。最近は、日本でも、割礼手術をうける子供もいるのだろうか。公衆トイレで隣の幼稚園児が、完全に剥けた状態のオチンチンでオシッコをしているのに出会った。ビックリしたことは、すでに亀頭は茶色に変わり、皮膚が厚くなっている様子だった。大江健三郎の書くように 、剥けた直後の亀頭は、きれいなピンク色で、触ると敏感だ。そういう時期を経ないで剥けた状態になるのは、どういう感覚なのだろう。

最近は、米国でも割礼が男性の性感を奪っているのではないかという議論が起こっているらしい。

次の研究では(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23374102)、1059人の割礼を受けなかった男性と、310人の割礼を受けた男性を比較した。亀頭部分の感受性については、割礼を受けた男性の方が性感が減少し、オーガズムが弱くなった。また、陰茎部分にも違和感を感じるという。割礼を受けた男性の中でも、思春期以前に割礼を受けた場合よりも、思春期かそれ以降に受けた場合(いわゆる包茎手術)の方が亀頭部の性感の減弱と、陰茎の違和感が強かったという。

日本では、仮性包茎の割合が半分位というが(http://www.melodeo.com/post-25886/)、プールや浴場で見る限り、包茎の割合はもっと少ないのではないかと思う。あるいは、そういう男性は、タオルで隠して見せないのかもしれないが、、。

仮性包茎の男性がパートナーだと、その匂いに辟易する女性の話も聞く。仮性包茎に悩む男性に対しては、包茎手術もしばしば行われるようだが、問題点は、先の調査でもあったように、感度の低下であろう。 陰茎小帯(いわゆる裏筋)という、一番の性感帯がダメージを受ける可能性が高い。「包茎手術の際、包皮小帯ごと切除されたので、セックスの時気持ちよくなくなった」という意見もある。

そもそも裏筋がどうして気持ち良いのかは、はっきりした説明をみつけることはできなかった。触覚に対する受容体が高密度に分布していると考えるのが一番シンプルな解釈だろう。

確かに裏筋に電マを当てるのが一番射精しやすい刺激であることからも、裏筋周辺部は、触覚や振動に対する応答性が高いのであろう。この触覚刺激だけで射精することもできるが、このような触覚刺激だけでの射精は、包茎手術を受けた男性では、感覚が鈍麻して難しいという。つまり、割礼や包茎手術を行うと、裏筋周辺部の感覚受容体の数が減ってしまうことで、感度が下がるという。

割礼をきっかけに、男性の性感について米国で活発に議論されている。一方、日本では、そのような議論はほとんどなされていないのが現状だ。男性のオーガズムの強弱など問われることはなく、とにかく射精すれば良いという状況である。包茎については、衛生的観点だけでなく、快感という観点からも議論する必要がある。

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